肥前さが幕末維新博覧会とは
幕末維新期、佐賀は国内最先端の科学技術力を誇り、明治新政府で活躍した幾多の人材を輩出するなど、時代を大きく動かしました。明治維新150年を契機に、平成30年から平成31年にかけて開催した「肥前さが幕末維新博覧会」では、そうした佐賀の「技」「人」「志」にスポットを当て、最新映像技術等で紹介しました。
目的
明治維新150年(平成30年)を契機に、佐賀の偉業や偉人を顕彰し、偉業を成し遂げた先人の「志」を今に活かし、未来につないでいくため、「肥前さが幕末維新博覧会」を開催し、佐賀への愛着・誇りの醸成と地域づくりに資する。
会期
平成30年3月17日(土曜日)~平成31年1月14日(月曜日)304日間
会場
県内一円
- メインエリア(市村記念体育館、県立博物館・美術館、佐賀城本丸歴史館、徴古館 ほか)
- サテライト(旧唐津銀行、中冨記念くすり博物館)
来場者数
224万人
・博覧会関連施設(16施設)及びイベント等への総来場者数
幕末維新記念館
幕末維新期の佐賀の偉業、それを支えた「技」、成し遂げた「人」にスポットを当て、最新映像技術等による体験を通じて、来場者の心を震わせ、先人の「志」を今に活かし、未来へ繋ぐという博覧会のコンセプトを体現しました。
第一場「幕末維新」体感シアター
扉が開くと、そこは幕末維新期の佐賀。壁一面に広がる大型スクリーンに登場するのは佐賀藩十代藩主・鍋島直正。
当時、国内最先端の科学技術を持ちながら、世界を見つめ、ぶれない信念で激動の時代に向き合ったリーダーの胸中をダイナミックに描きました。
第二場「技」からくり劇場
国内初の鉄製大砲や実用蒸気船はどのようにして完成されたのでしょうか。
生身のパフォーマーによる迫真の演技に、最先端のデジタル映像技術と音、照明を融合させたクロスメディアショーで表現しました。
第三場「人」賢人ラウンドシアター
7つのスクリーンに浮かび上がる、鍋島直正、島義勇、佐野常民、副島種臣、大木喬任、江藤新平、大隈重信。
幕末維新期に活躍した「佐賀の七賢人」が、時空を超えて集い、語り合う空間をモニター連動型のラウンドシアターで実現しました。
第四場 「志」ことのは結び
来場者一人ひとりの「志」のことばが創り上げる展示空間。
来場者一人ひとりがクスノキの葉を模した「ことのは」につづった未来に向けたメッセージから、それぞれが未来へと向かう勇気をもらえる場としました。
「ことのは」から、一部を抜粋してご紹介します。
リアル弘道館・葉隠みらい館
幕末維新記念館を含めたメインエリアのテーマ館として、リアル弘道館(旧古賀家)、葉隠みらい館(旧三省銀行)で展示を行いました。
リアル弘道館
幕末維新期に近代日本の礎を築いた人物を多数輩出した佐賀藩の藩校「弘道館」を紹介するテーマ館。来場者は音声ガイドを携行し、幕末維新期の佐賀の偉業と躍動の母体となった藩校の「学び」を体験することができました。
葉隠みらい館
幕末維新期に偉業を成し遂げた佐賀の人々の精神的支柱となっていった「葉隠」の教えに出合い、自分にとって大切な葉隠を知ることで、自らがより良く生きる“意志”を発見できるテーマ館。
「葉隠」を、ビジネスや日常生活に役立つ「心構え」としてわかりやすく紹介するとともに、来場者それぞれに合った葉隠の言葉を持ち帰ることもできました。
サテライト館(唐津・鳥栖)
佐賀藩の紹介を行った佐賀市内のメインエリアの他、それぞれ唐津藩と対馬藩田代領の歴史を発信するためにサテライト館でも展示を行いました。
唐津サテライト館
1年という限られた開校期間で辰野金吾や曽禰達蔵ら、日本の近代化に影響を与えた偉人を輩出した奇跡の英学校「耐恒寮」を、県指定重要文化財である旧唐津銀行の2階を会場として紹介しました。
その他、近代日本を代表する建築、唐津藩の激動の歴史、当時日本最大の産炭地だった唐津炭田などを、アニメーション映像や偉人を漫画キャラクターにした大きなパネル、体験ゲームなどで紹介しました。
鳥栖サテライト館
江戸時代に対馬藩田代領として統治されていた頃の鳥栖市東部と基山町の歴史や、江戸中期から始まり日本4大売薬の一つへと発展した田代売薬、九州の鉄道黎明期に路線の分岐点となった鳥栖駅、維新期の佐賀藩の近代化に資金面で貢献した櫨蝋(はぜろう)など、常にチャレンジ精神旺盛に革新を続けてきた鳥栖の歴史や産業を映像や展示物、展示パネルなどで紹介しました。
維新博メモリアル展示
肥前さが幕末維新博覧会の開催を通じて芽生えた佐賀への誇りや新たな志を維新博閉幕後もさらに広げていくため、維新博の展示を再構成した「維新博メモリアル展示」を整備・展示しています。
維新博メモリアル展示
“幕末維新記念館”
維新博メモリアル展示“幕末維新記念館”では、メモリアルシアターでの2つの映像を通じて維新博で芽生えた佐賀への誇りや新たな志を今に活かし、未来へと繋げる体験を提供します。
幕末維新記念館体感映像
維新博のメインパビリオン「幕末維新記念館」の実際の映像を、まるで会場で体感しているような感覚に。幕末維新期の佐賀、時勢を見据え、動かない十代佐賀藩主・鍋島直正の心中や、佐賀が日本の近代化のトップランナーになりえた理由、そして時空を超えて集い語り合う七賢人を通して、佐賀の「技」「人」「志」を伝えます。
展示ブース外観(佐賀県立博物館内)
幕末維新記念館体感映像
受け継がれた想い
ー 幕末維新記念館の記録 ー
制作者へのインタビューや来場者の声を通して、維新博で伝えたかったことや未来へ受け継がれていった想いをまとめたドキュメンタリー映像。幕末維新記念館で感じた感情を想起するとともに、新たな感動を届けます。
“幕末維新記念館”
- 場所:佐賀県立博物館(佐賀市城内1丁目15番23号)
- 入場料:無料
- 開館時間:9時30分 ~ 18時
- 休館:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月29日 ~ 1月1日 ※臨時休館あり
維新博メモリアル展示
“弘道館”
「弘道館」は1781年、八代藩主・鍋島治茂により創設されました。その後、十代藩主・鍋島直正は校舎を移転、拡張し、教育内容を更に充実させていきます。維新博メモリアル展示“弘道館”では、幕末維新期の佐賀の偉業と躍動の母体となった「学び」を知るとともに、これからの社会にも有用な「学び」を体験することができます。
素読体験(佐賀城本丸歴史館)
穀堂・直正の語り(佐賀県庁新館展望ホール)
(大隈重信メモリーズ、素読体験)
- 場所:佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2丁目18番1号)
- 入場料:無料
- 開館時間:9時30分 ~ 18時
- 休館:12月29日~ 1月1日 ※臨時休館あり
(穀堂・直正の語り、弘道館の一日)
- 場所:佐賀県庁新館展望ホール(佐賀市城内1丁目1番59号)
- 入場料:無料
- 開館時間:平日 8時30時 ~ 22時 / 土曜・日曜・祝日 9時30分 ~ 22時
- 休館:12月29日 ~ 1月3日
維新博メモリアル展示
“葉隠”
今から300年以上前の江戸時代中期、佐賀の地で全11巻からなる書物「葉隠」がまとめられました。佐賀の地に受け継がれてきた葉隠は、佐賀の風土に溶け込み、人々の心に深く刻み込まれ、やがて、幕末維新期に偉業を成し遂げた佐賀の人々の精神的支柱となっていきます。維新博メモリアル展示“葉隠”は、葉隠の本質に触れ、体験することで、自らがより良く生きる“意志”を発見することができます。
展示の様子
- 場所:旧古賀銀行[佐賀市歴史民俗館](佐賀市柳町2番9号)
- 入場料:無料
- 開館時間:9時 ~ 17時
- 休館:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日) / 祝日の翌日 / 12月29日~1月3日 ※臨時休館あり
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